表2相馬駒焼東日本大震災の2年後、2013年、当展示会は、窯の倒壊など被災した陶芸家を支援する取り組み(東北炎の作家復興支援プロジェクト)の一つとして開催されました。展示機会を失った陶芸家たちに展示場を提供し、そこでの作品の展示販売が、作り続ける気持ちを応援し、復興に必要な経済的支援につながればとの思いがありました
当初は、伝統窯、個人窯の作品の展示販売だけでなく、ネットを通して取り組みを知った英国の陶芸家グループ(Kamataki-Aid)から寄せられた作品をオークション販売したり、江戸初期から続く相馬駒焼(東北最古の登窯は、整備され、相馬市によって現在一般公開中。生業としての継続が課題となっている)の支援をアピールしたり、啓発的な企画を加えておりました。
現在はシンプルに作家との交流を図りながら、作品を選んでいただくことを中心に、東北にも土地土地に古くから伝統を受け継ぐ窯元や質の高い器づくりに励む作家たちが存在することを、少しでも多くの方に知っていただきたいと思っております。
2016年、集中豪雨による土砂崩れのため休止の止むなきに至ったこともありましたが、今年で第6回を迎えることになりました。一般に支援の思いが次第に冷えていく中で、2年度目から、震災以来「東北器の絆プロジェクト」を展開し、東北の窯元に支援の手を差し伸べてくださっているAGF様から、思いがけずご協賛をいただき、ここまで続けてまいりました。
今回は昨年より1窯少ない18窯の出展になります。参加者を見ると、かっては会場にも元気な姿を見せていた東北陶芸界の長老たち、堤焼の四代針生乾馬氏が2016年、続いて平清水焼の四代丹羽良知氏も今年2月になくなり、また、昨年まで参加していた青森の南部名久井窯は経済的な理由から今年3月で廃業(今回は展示品のみ参加予定)に追いやられるなど、陶芸という生業を取り巻く時代の厳しさと、伝統を残す難しさをひしひしと感じております。
東北の生活風土に芽生え育まれた手づくりの器が、新しい世代にも新たな魅力を持って受け入れられ、これからも暮らしに美と潤いを与え続いていくことを願っております。

あとがきより
器は使い手の確かな目によって選ばれ、使われてこそ、成長する。だから魅力ある器は作家と使い手との交流から生まれると言っても良い。ところが作品を単なる商品と見るマーケティングの発想からは、結果的にはどこも同じトレンドものが氾濫する結果になってしまう。それなら工業製品で言い訳だ。お客様の思いに励まされ、世の流れへのささやかな抵抗のつもりで、これからもこの展示会を継続して行きたい。

写真は相馬駒焼の茶器。31筆で駒の絵が描かれている。