震災後まもなく、英国の陶芸家から突然のメールが飛び込んで来てびっくりした。東北の陶芸家たちのことを案じて、「窯炊きエイド」という組織を立ち上げたというメールである。「東北には古くからの伝統を受け継ぐすばらしい窯がたくさんある。彼らは無事か?」という言葉に、これまでローカルでやってきたことに、突然のスポットライトがあたったような気分になった。海の向こうの人たちが私たちが忘れている価値を気づかせてくれた。ローカルな生活の場に根ざして泥だらけになりながらやってきたことにこそ、実は、世界に通じる普遍性があるかもしれないのだ。土を重んじる陶芸という業にはそうした暗喩がある。
偏狭に伝統にこだわるというのではない。日本という国は、積極的に海外のものを取り入れ、それを血肉化してきた国である。海外の作家が支援のためにたくさんの作品を送って来た。日本陶芸への彼らの愛を感じ、伝統を受け継いで来た陶芸家の魂のうえにも新たな目覚めを喚起し、未来へ世界へ伝統を進化させる契機になればと思う。経済的な問題の解決の糸口ともなる、それが真の東北の陶芸の復興=ルネッサンスではないか。
震災2年目、最後に手弁当での多くの方のご協力、ご理解があって仙台市内でこうした展示会を開くことが出来たことを感謝したい。